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美幌町ふるさと納税を知ろう! 寄付金の使い途「美幌町の文化財を守り、未来へ伝える」
今回は、皆さまからいただいた寄付金がどのように町に活かされているのかご紹介します。
→令和2年度の「寄付の実績」はこちらから
<環境保全・文化財保護に関する活用事例>
美幌町には現在4つの「美幌町指定文化財」が存在します。
今回はそのうちの1つ「美幌小学校のカシワの木」の保全事業の様子を取材しました。
10月30日に行われた博物館講座「樹木治療の現場を見てみよう」に参加し、美幌町の歴史に詳しい美幌博物館の鬼丸館長と、樹木医の鈴木さんにお話を伺いしました。
▲美幌町立美幌小学校とカシワの木(右側2本)
<イベントの様子>
2021年10月29日 博物館講座「樹木治療の現場を見てみよう」
参加者23名
▲カシワの木を見学し、木の状態や治療の状況について樹木医の鈴木さんから説明をお聞きしました。
<インタビュー>
カシワの木はなぜ美幌町指定文化財に選ばれているのでしょうか?
鬼丸館長「美幌小学校にある、これらのカシワの木は町中にある木としては大きいものです。美幌小学校の前身となる『美幌簡易教育所』が開所した明治34年当時からこの場所にあったことが知られています。昔はこの場所で町ぐるみの運動会があったことなどから、地域の活動や町民の人生を見守ってきた町のシンボルであり、平成11年に、小学校内にある8本のカシワの木を文化財に指定しました」。
▲美幌博物館の鬼丸館長
保全事業の対象となっていますが、なぜですか?
鬼丸館長「文化財指定当時、この木が非常に弱っている状態でした。枝ぶりも葉の付きも悪く、文化財に指定するのであれば、治療の必要があると感じ、オホーツク管内に唯一の樹木医である鈴木さんに相談しました」。
樹木医とはどんな仕事ですか?
鈴木さん「私は営林局で長く勤めた後、58歳で樹木医になりました。木の事以外の様々な科学的知識と、地域の歴史などを元に、木々を調査、研究、治療、管理するのが樹木医の仕事です。このカシワの木は高さ15m、木の周囲の長さが3.6mほどあることから推定樹齢250年以上であることが分かります。しかしながら、雷や菌などの様々な影響から内部が腐り、空洞が見られるなど治療が必要な状況でした」。
▲樹木医の鈴木さん
どのような治療をしているのですか?
鈴木さん「木の状況を調査し、木がもつ生命力を活かすための様々な治療を行っています。例えば、木に空いた穴を放っておくと、病原菌が入り込んだり、構造的に弱くなりこのような大きな木を支えられなくなる場合があります。そこで、穴の内部を掃除し、材木で補強するなどして特別なウレタン材で接着しました。他にも亀裂部分に防菌剤を塗布したり、木が栄養を吸収できるように土壌を改良したりと多岐に渡ります」。
▲高所作業車で治療をする様子
▲ウレタン材を吹き付けている様子
▲ウレタン剤を充填した穴
▲網で保護した治療跡
▲幹中心の縦に伸びる亀裂に防菌剤(黒い塗料部分)を塗布
▲木の周囲には、たくさんの落ち葉が。学校行事の1つとして、落ち葉を集めて木の周りに撒いています。落ち葉が腐葉土となることで根が健康に育ちます。
治療を進める中でどのような成果が出ていますか?
鈴木さん「治療を開始してから、木の状態はよくなっています。北海道は、北の針葉樹と南の広葉樹の邂逅点であり、開拓以前は様々な樹種が混合林として存在していました。特にこのエリアはカシワの木が多かったことがわかっています。素晴らしい自然環境です。開拓時代にたくさんの木が切られてしまいましたが、それ自体はしょうが無いことで、今ある緑を大事にする事が重要だと考えています」。
鬼丸館長「ふるさと納税の寄付金がこの事業に活かされていることについて大変ありがたい気持ちです。地域を見守ってきた木が、地域内外の皆様によって支えられていることに感謝をしております」。
ありがとうございました。
イベントに参加した皆様の声をお届けします
「仕事柄、木に携わっていますが、木の成長の過程を樹木医からの話しでより深く知ることができました。木のもつ生命力と、それを支える樹木医のお仕事に、自然と人間の関わり方を考えさせられました。長い年月を経て、歴史を刻んだ命を頂いていることに、改めて感謝してものづくりをしていきたいです」。(町内で木工製品を製造されているご夫婦)
「今日は同級生と一緒に来ました。このカシワの木は僕たちが在学していた頃から常に身近にある存在でしたが、当時はこれほどいきいきしている様子ではありませんでした。このように保全されて元気になっていく様子を知れて嬉しいです」。(美幌小の卒業生の方)
「『森』のイメージが強いオホーツクだから、大きくて立派な木があるのは当たり前のことなのかと思っていましたが、鈴木さんや館長のお話を聞いて、違うということがよく分かりました。ふるさと納税の寄付金も含めて、たくさんの人の手と想いでこの素晴らしい景観があるんだということがわかり、感謝を感じました」。(移住者の方)
▲美幌小の卒業生で同級生のお二人。「カシワの木の周りでよく遊んだよね」と当時を懐かしんでいました。
今回も『美幌町ふるさと納税』寄付金の使いみちについてご紹介させていただきました。皆様のご寄付によって、美幌町の文化財が守られ、町民の誇りが未来につながっています。
ぜひ、ご寄付の際は使用用途についてご検討ください!
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