強い責任感と自負心で
良質な玉ねぎをつくり続ける。

玉ねぎ生産者

鳥井 一彦さん
(美幌町玉葱振興会 会長)

先祖代々の農地を引き継ぎ、4代目として玉ねぎをはじめ、てん菜・麦などの畑作農業に励む。2016年から美幌町玉葱振興会会長を務め、美幌町の玉ねぎ生産者たちと「美幌産玉ねぎ」のブランド確立のために尽力。品質を維持するための「ハイクオリティ運動(HQ)」に取り組んでいる。

玉ねぎの全国生産量が日本有数のオホーツクエリア。中でも美幌町は、早生(わせ)品種の「オホーツク222」と年明けまで出荷できる晩生品種「北もみじ2000」の主産地として品質でも高い評価を受けています。ずっしりと大きくて、色つやもいい玉ねぎを生産者たちはどのような想いで育てているのか、美幌町玉葱振興会会長の鳥井さんにお話をお聞きしました。

地道な努力で
毎年同じ品質を維持

寒暖差が大きく、降雨量が少ない美幌町の気候は、玉ねぎづくりにぴったり。恵まれた条件で大切に栽培された玉ねぎだから、「味には自信があります!」と、鳥井さん。「網走川のミネラル豊富な土壌や日照時間の長さが、玉ねぎをよりおいしく育ててくれます」。
それでも、毎年天候や雨量は変わるし、収穫時期に台風がやってくることもあります。
「玉ねぎは暑さを嫌います。また、雨が多いと柔らかくなり、少ないと固くなります。毎年同じ品質の玉ねぎを同じように出荷するのは、実はとても大変なんです」
その年の気温や降雨量により生産管理方法を変えるという地道な努力を積み重ね、「美幌産玉ねぎ」のおいしさが守られています。

生産者が切磋琢磨する
ハイクオリティ運動

消費者へ良質な玉ねぎを届けたいという強い責任感を抱きながら、生産者たちはお互いに切磋琢磨。大きさが揃っていて肉厚、安全性の高い玉ねぎを栽培し、より多くの方に食べていただくために「ハイクオリティ(HQ)運動」に熱心に取り組んでいます。
「HQ運動」とは、より良い作物を育成するために生産者同士が情報を交換・共有、おいしさはもちろん安全安心にもこだわった栽培方法を追求する活動です。販売に関しても「JAびほろ」と協力し、より多くの消費者に美幌町産玉ねぎを味わっていただけるよう積極的に意見を交わし合っています。

煮て、炒めて、揚げて
存在感を発揮

玉ねぎは、なかなか食卓の主役にはなれないかもしれませんが、どんな料理にも欠かせない名脇役。メニューのレパートリーは、無限と言ってもいいでしょう。
美幌町で主に栽培されている玉ねぎの品種は、少々辛みが強いため生食には向いていませんが、火を通すとトロリと甘い!炒め物、揚げ物、煮物などに存在感を発揮します。
鳥井さんは、輪切りにした玉ねぎの両面に小麦粉をつけて焼き、カレー粉で味付けして食べるのが大好きだそうです。また、玉ねぎ、じゃがいも、ちくわで作るかき揚げは、小さな頃から食べ続けているおふくろの味。きっと、高校生と大学生の息子さん2人にとっても、鳥井家の味わいになっていくのでしょう。

辛み成分には
うれしいパワーがたっぷり!

玉ねぎの独特の辛みは、切るときには涙を誘うものですが、実は辛みの成分であるアリシンにはとても頼もしいパワーが宿っています。
まずは、疲労回復の効果。豚肉や豆類に多く含まれるビタミンB1と玉ねぎを一緒に摂ると新陳代謝が活発になって疲れの回復を助けてくれます。
さらに、血液サラサラ、コレステロール低下、整腸作用、発ガン抑制、血糖値上昇抑制などさまざまな生活習慣病の予防、安眠効果などうれしい作用がいっぱいです。
「辛みを抜くために水にさらしてしまうと、せっかくの薬効成分も流されてしまうので、涙をちょっと我慢して加熱した旨味をお楽しみください」(鳥井さん)

豊かな大地を
次世代へつなぎたい

日持ちが良くておいしいと、市場関係者からも高い評価をいただいている美幌町産玉ねぎ。「これからも生産者同士でレベルを高め合い、玉ねぎと言えば美幌町と言われるほど、いわゆるブランド化に努めていきます」と、鳥井さん。「そして、ふるさと納税の返礼品として玉ねぎを召し上がってくださった方たちが、この町を訪れてみたいと思ってくれるきっかけになれたら、うれしいですね」。
鳥井さんが、町でいちばん気に入っている場所は「自分の畑」と、ちょっと照れながら教えてくれました。この町ならではの豊かな田園風景を次世代へつなぐためにも、鳥井さんたちの堅実な努力と自負心がこれからも大地に注がれ続けるでしょう。

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