ふるさと納税返礼品の1つひとつの物語が
「美幌ブランド」を紡いでいく

美幌町には良質な農産物や手作りの工芸品、熱い情熱から生まれた加工品などここにしかない魅力的な商品が多彩です。その価値に町民とともにあらためて気づき、ふるさと納税返礼品として全国へ送り出していくことでどのような未来を描いていくのか。今後の方向性や取り組み方について美幌商工会議所会頭と美幌町長が語り合いました

まちの魅力の再発見が「住んで良かった」と
感じられるまちづくりにつながっていく

お二人にとっての美幌町はどのようなまちでしょうか?

後藤:何よりも自然が素晴らしい。全国的にもよく知られている「美幌峠」をはじめ川や森、田園風景など、まち全体が自然に包まれているイメージです。
平野:美幌峠は北海道「道の駅」ランキングで景観部門第1位を6年連続でいただいています。ありがたいですね。そもそも美幌とはアイヌ語で「水多く、大いなるところ」という意味です。大小合わせて60本の清流が流れている美幌町の特徴がそのまま地名になっています。
後藤おいしい水にきれいな星空、雄大な雲海とか、町民にとっては当たり前過ぎる風景なのかもしれませんが、道内でもこれほどの景観に恵まれた場所はそうそうないと思います。
平野:気候もいいですね。夏は空気が乾燥していて過ごしやすいため、オホーツク圏は夏のスポーツ合宿が盛んです。美幌町もラグビー合宿を受け入れています。冬は、気温が下がる日もありますが、降雪量は道内の中ではさほど多くないです。
後藤:1日の寒暖差があって日照率が高いから、農業に最適な土地柄ですね。
平野:農業は美幌町の基幹産業。また町内面積の6割を森林が占めていますから林業も盛んです。

後藤:自然の豊かさと日常生活の利便性は一般的には相反する印象ですが、美幌町は大型スーパーやコンビニ、病院、金融機関など生活に必要な施設が揃っています。
平野:美幌町では、日常的な都市機能と自然とが調和するまちづくりを目指しています。
後藤:アクセスも良好で女満別空港へは車で15分ほど。町内には国道が4本走っていますから、道東地域の交通の要衝と言ってもいいでしょう。自衛隊の駐屯地もあり、災害時含め常に町民が安全安心に住める町です。
平野:いいところは挙げていくとキリがないのですが……いちばん気がかりなのは、町民が町の良さにあまり気づいていないということでしょうか。
後藤:そうですね。どうしてもないものねだりになってしまいます。
平野:今回、こうしてふるさと納税特設サイトを立ち上げることで、他地域の皆さまに美幌町のことを知っていただくとともに、町民にもあらためて自分たちの町を見直すきっかけになってほしいと期待しています。

行政と事業者が一丸となって返礼品の付加価値を高めていく

美幌町のふるさと納税返礼品には、どのような魅力がありますか

後藤:現在登録されている返礼品は、農産物が中心です。気候とか日照率とか最適な条件によって収穫される農産物はとにかくおいしい!「旨み」が凝縮されています。美幌町を応援してくださる皆さまには、私たちが心からおすすめできる商品をお届けしたいです。
平野:農業が盛んな北海道の中でも美幌町産の農産物は取引市場から品質が高いと、うれしい評価をいただいています。工芸品に関しても美幌町ならではの文化性、ストーリー、こだわりのある素晴らしい作品がたくさんあります。農産物や工芸品、加工品には作り手の想いがこもっています。全国の皆さまにぜひお伝えしたい商品ばかりです。
後藤:11月に出荷する冬アスパラ「冬姫」など、美幌町ならではの特産品も多い。でも、まだまだ認知度は高くないかもしれませんね。
平野:確かにそうです。ちゃんと知っていただくことで、美幌町への関心を高めていきたいと考えています。
後藤:その取り組みの1つとして2017年に「美幌ブランド認証制度」をスタートさせました。生産者には良いものを作ってもらい、パッケージなどにもこだわってPRすることで販路拡大と町の関連産業の振興を図るのが目的です。残念ながら、まだまだ上手く活かされていないのが現状です。
平野:作り手と運用していく側の一体感がないのが課題という指摘を受けています。美幌町の人口は約1万9,000人。ちょうどいい規模の町だからこそ行政と事業者がしっかりと手を取り合い、一丸となって取り組んでいくのがとても大切だと考えています。
後藤:商工会議所としては、商品をより魅力的なものにするために、いかに付加価値を高めて販売促進していくか、それが使命だと感じています。
平野:このまちならではの返礼品を通して美幌町を応援したいという想いを募り、そのいただいた想いを次代のまちづくりのために投資させていただくことが、何よりも重要だと強く認識しています。

人と人とのつながりを大切に、寄付金は次代のまちづくりへ活かしていく

今後「美幌ブランド」をどのように育んでいきますか?

後藤:美幌町の野菜は確かにおいしいけれど、その魅力が写真だけで伝わるものではありません。全国的に人気のある海産物を前面に打ち出した自治体とは、まともには勝負できない。ただ、例えばワークセンターピポロなど知的障がいのある人たちが作ったトマトの加工品とか、美幌高校生とコラボレーションした商品など、ストーリーをしっかり伝えることで付加価値を高めることはできると思います。
平野:その通りです。このふるさと納税特設サイトでは、まちとして特にアピールしたいモノを特集取材し、作り手の想いやこれまでの経緯などをご紹介するようにしています。そのストーリーに共感してくださった方に、まずは商品を手にしていただき、少しずつ美幌町に興味を持っていただきたいと願っています。
後藤:創り上げていくという視点も重要ですね。かつては美幌産和牛の育成に積極的に取り組んでいましたが、採算が合わないために規模は縮小されています。何らかの手立てをすることによって時間はかかるかもしれませんが、ブランド牛を復活させることはできるのではないでしょうか。行政や経済界が応援することで美幌ブランドを創出していく芽はたくさんあると思います。
平野:例えば普段は出回らない、ふるさと納税の返礼品限定などとして希少価値をアピールしていく方策もあるかもしれませんね。会頭がおっしゃる通りに政策的な応援は本当に大切だと考えています。ふるさと納税だからできる事業構築や実施される事業を町民をはじめ寄付してくださった方々にしっかりPRしていきたいです。美幌町のファンだから美幌の玉ねぎ、美幌のじゃがいもを食べたいと思っていただける人が増えていくのが理想です。そんな仕組みづくりに今後さらに力を入れていきます。

後藤:ふるさと納税返礼品の一般的なイメージは食品が中心でしたが、今回はまちづくり協議会で事業推進している「ヨガ」や「民泊」についても返礼品として登録していただきました。このような体験型プログラムを選べること自体が美幌町ならではの特徴として、より多くの方に認識していただけるとうれしいですね。
平野:商品の見せ方やストーリーの紹介方法などアイデアはいろいろあると思います。そういうことも含めて官民一体となり、町民を巻き込んだ取り組みへと醸成していきます。
後藤:自衛隊の方から、美幌町は転勤候補地として大変人気があると聞いたことがあります。美幌はいいまちだと代々伝わっているようです。私が年賀状のやりとりをしている方も「四季折々に美幌を思い出す」と伝えてくれています。こういう人と人とのつながりも、美幌町ならではの文化ですよ。
平野:うれしいですね。よく言われることですが「まちづくりはひとづくり」です。人と人がつながることで物語が生まれます。そんなふうに人をつなぎ、物語を紡いでいく1つのきっかけとして、ふるさと納税の返礼品があると思っています。特産品や工芸品を通して美幌町を知り、応援したい、まちに行ってみたいと思っていただくためにも、いただいた寄付金をどのように活用させていただいているのかはしっかりお伝えしていきます。人づくりに対する投資はなかなか成果が目に見えにくいものですが、次代のまちづくりに必ずつながっていくと信じています。生産者や作り手の想い、寄付金の使い道を寄付者や町民へ丁寧に説明していくプロセスそのものが「美幌ブランド」育成の物語となるでしょう。一人でも多くの美幌町ファンが増えるよう、ふるさと納税事業を町民と行政、事業者が力を合わせて盛り上げていきます。

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