アイデアと郷土愛を熟成させ
全国でも珍しい旨味調味料が誕生。

美幌豚醤まるまんま

合同会社 びほろ笑顔プロジェクト

「豚から広がる ものづくり ひとづくり まちづくり」を会社理念に、2012年に設立した「びほろ笑顔プロジェクト」。美幌商工会議所、東京農大、オホーツク食品加工技術センター、役場、美幌高校、地元企業、多くの町民がスクラムを組み、商品開発に着手。試行錯誤を経て、万能調味料「美幌豚醤まるまんま」が誕生した。

豚肉が原料のお醤油!? 養豚団地の歴史がある美幌町ならではの発想から商品開発に取り組んできた「びほろ笑顔プロジェクト」は、どのような経緯で生まれ、どのような活動を展開しているのか、さらに日本野菜ソムリエ協会の万能調味料部門で優秀賞を獲得した「美幌豚醤まるまんま」の誕生秘話などを商品開発室長の大友真佐美さんに伺いました。

どんな料理とも相性バツグンの
魔法の調味料

「美幌豚醤まるまんま」は、豚肉を原料とした全国でも珍しい旨味調味料。隠し味として和洋中さまざまな料理に少量入れるだけで、驚くほど味わいが深まります。
「使っているのは、豚肉と塩、麹だけ。水も加えていません。じっくりと熟成させながら愛情こめて作っています」と、大友さん。「肉じゃが、パスタ、炊き込みご飯、カレー、スープ、肉料理、炒めものなど、どんな料理もプロの味に仕上げる魔法の調味料なんです!」
一般の醤油に比べて旨味成分であるアミノ酸は約1.7倍。あらゆる食材と相性バツグンで、オリーブオイルなどと合わせると簡単にドレッシングができます。町内では、「美幌豚醤まんじゅう」や「豚醤入りのあんぱん」が販売され、独特のコクで大人気です。

3年の試行錯誤の末に
ようやく商品化

地元で育てられた豚を、より多くの人に知ってほしい。そんな思いが集い、美幌商工会議所、授業で豚を育てている美幌高校の生徒などをはじめ、たくさんの異業種による特別プロジェクトが2009年に始動しました。
大豆が中国から伝わる前は鹿やイノシシから肉醤を作っていたことを踏まえ、豚醤を研究するようになったそうです。
「どうしても豚肉の脂身によって雑味が入ってしまいました。そこで脂身の少ないモモとウデだけを使い、手作業で丁寧に脂身を取り除いたんです」
試行錯誤を繰り返しながら、3年をかけてようやく商品化に成功。雑味がなく、旨味が凝縮された万能調味料が誕生しました。

町民に応援され、
ギフト商品として定番化

商品発売後、テレビや新聞などに取り上げられ、町内ではレシピコンテストも開催。最初は、どう使ったらいいのか戸惑っていた町民も、積極的にアレンジしながら、おいしい食卓づくりに活用しています。
「これを必ずお土産として持っていくという方がいて、本当にうれしいです!ふるさと納税の返礼品、ギフトとして定番化してきたのは、町民の方々の応援のおかげです。小学校の給食にも利用されているんですよ」
そう語る大友さんは、「特攻隊長」を自認。アイデアが浮かぶたびに「ご協力してもらえませんか?」と、突撃しながら仲間を増やしているそうです。

子どもたちへ、食の大切さを伝える
「食育」も展開

大友さんの熱意に引っ張られるように、びほろ笑顔プロジェクトは “ものづくり”にとどまらず、 “ひとづくり”“まちづくり”にも取り組んでいます。
そんな1つが、食育。豚醤を給食にも取り入れている町内の小学校や保育園を訪問し、美幌高校の生徒たちで結成された「美幌伝道大使」とともに展開しています。
「美幌産の食の魅力、命の大切さを座学だけではなく、農家や農場へ出かけて体験を通しての学びを提供しています。最後は、みんなでおいしい給食をいただき、子どもたちと楽しく交流しています」
未来を担う子どもたちが、食を通じてふるさとをより良く知るためのきっかけをつくり、将来的な“ひとづくり”にもつながっていく活動です。

美幌町の素晴らしさを
より多くの人へ伝え続けたい

「ふるさと納税の返礼品として豚醤を味わってくださった方たちが、いつか美幌町に足を運び、実際にこの自然豊かな風景と町民のあったかさに触れてくれたらうれしいです」と、大友さん。「故郷を離れている人たちにも、懐かしいと思っていただけるような商品づくりをこれからも頑張ります!」
食を通じて、子どもたちに郷土愛を育てる活動にも力を注ぐ大友さんの笑顔には、見知らぬ人たちをつなぐ軽やかなパワーがあふれています。

この返礼品をシェアする
ふるさとSTORYへ
美幌町