アンティーク調の手づくり家具で
空間をあたたかく彩りたい
町産材の木製品
おいで家具
下小路 智之さん・留美さん
優しい表情に、一瞬で心惹かれる木工家具や小物たち。下小路夫妻が手づくりする作品は、新しくてもどこか懐かしい風合いをまとっています。美幌町産カラマツを使った、ふるさと納税の返礼品は感動を持って迎え入れられ、長く愛され続けています。どんな想いで製作に向き合っているのか、美幌町の魅力などをお二人に伺いました。
手にした人を
ワクワクさせる物づくり
店舗を兼ねた「おいで家具」の工房。木の香りに包まれながら“こんな家具やインテリアに囲まれて暮らせたら、どんなに素敵だろう”という想いが、自然にわき上がってきて、ワクワクします。
「来店されたお客さまのとても楽しそうな様子を見るのが大好きです」と、下小路さん。「家具とは関係のない話もして、お好みやイメージをつかみ、ご提案させていただいています」。
「おいで家具」では、家具のフルオーダーをはじめセミオーダー、リフォームに対応。オリジナルな物づくりにも熱心に取り組み、スツールやワインラック、コースターなどがふるさと納税の返礼品として全国へ旅立っています。
アンティーク感が香る
安全安心のエイジング塗装
新品なのに使い古したような風合いを表現するために、下小路夫妻が何よりもこだわっているのが、塗装です。
「アンティーク感を出すために、長い時間がたったような味のある“エイジング塗装”を施しています。安全性にも考慮して、ミルクが主成分の自然顔料“バターミルクペイント”という塗料を使っているので、お子さまにも安心して使っていただけます」
水溶性で環境にも優しく、品質・耐久性も高いという塗料は、イヤな匂いもしません。毎日一緒に暮らす家具やインテリア、小物類にぴったりの塗装方法ですね。
木工クリエーターへ転身し
夫婦二人三脚で作品づくり
智之さんは、元大工。20年以上、木造建築の経験を重ねるうちにカフェのインテリアや作り付けの家具づくりがおもしろくなり、木工クリエーターへ転身しました。
「もともと家具類が好きだったので、製作し始めてすぐにのめりこんでいきました」
当初は、道外での独立も考えていましたが、たまたま美幌町の起業家支援制度を知り、担当者が「ぜひ、美幌町でお願いします！」と熱心に相談に乗ってくれたことから、この町での起業を決めたそうです。
それまで事務職だった留美さんも智之さんの仕事を手伝おうと塗装を学び、こうして二人三脚での作品づくりに励んでいます。
この仕事を選んでよかったと
実感する日々
移住当初は、「縁もゆかりもない町になじめるかな」と、多少の不安があったというお二人。「でも、周りの人たちや町役場の方に支えられ、近所の方々にも声をかけていただき、とても安心しました」。
また、おじいちゃんおばあちゃんの形見だった家具を使えるようにリフォームしたら涙を流して感動していただいたり、オーダー家具と対面したときに“わぁー”と声を上げて喜んでいただいたりすると、「この仕事を選んでよかったという想いがこみ上げてきます」と、感慨深く語ってくれました。
町産材で作品をつくり
寄付してくださった方や町へ恩返ししたい
創業前からお世話になった美幌町や町の人々に「恩返しがしたい」という想いが強いというお二人。「ですから、ふるさと納税の返礼品を作らせていただけるのは、この上ない幸せです」。返礼品を通して寄付してくださった方々にも恩返しができ、さらにうれしいと笑顔がこぼれます。
「美幌町は、自然に恵まれた環境。町産材も豊富です。これからも、カラマツなど美幌町産森林認証材を使った製品づくりに力を注ぎ、町産材を通して町のPRをしていきたいです」
森林認証制度とは、環境に配慮した適正な森林管理が行われているか、消費者に正しく届けられているかなどを世界基準に基づいて第３者機関が審査・証明する制度です。美幌町では、2005年に認証を取得。認証機関から高い評価を受けています。「おいで家具」のアンティーク調の作品には、素材の魅力が最大限に活かされています。
店名にこめた
お客さまへの想い
「おいで家具」という店名は、智之さんの実家で飼われていた愛猫と同じ名前です。
「実家の近くに現れた迷い猫を“おいで、おいで”と手招きしたらやってきたので、そのまま飼い猫になりました。私たちの店舗にもお客さまに“おいで”いただきたいという想いをこめています」
下小路夫妻が丁寧に、心をこめて作った家具たちは、全国各地のおうちや店舗で空間をあたたかく彩りながら、素晴らしい自然が広がる美幌町にいつか“おいで”くださいというメッセージを伝え続けるでしょう。
